- やさしい木
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゛無垢の木材゛や ゛本物の木材゛
にこだわる方が増えているのは、
ストレスが多い現代の生活ににおいて、
ほっと ひと息つける
やさしさ を持ち合わせている木材に、
知らず知らずのうちに魅かれているからではないでしょうか超高周波音 という言葉をごぞんじですか?
人間に聞こえる音の範囲を超える超高温のことです。
この 人の耳には聞こえない20.000HZ以上の
超高周波 は、自然の中の、
木の葉のざわめきや、
虫や鳥の声、
水のせせらぎの音
などに豊富に含まれています。
最近の研究では、この超高周波をシャットアウトしてしまうと
生理的に不快感を持ち
逆にこれを耳にすると脳波に変化が生じ、
アルファー波が発生し、精神的に安定することがわかってきました。そんな超高周波をコンクリートは遮断してしまいますが、
木材は適度に通すため、精神的にも リラックス するという効果が
得られるというわけです。
都会には自然の生み出す 超高周波 は少ないといわれている昨今、
木材を取り入れることで、リラックス 効果が期待できそうですね。
- 木の香り
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樹木がもつ独特の芳香には、
気分を落ち着かせる効果があるといわれています。
例えば、木の香りがする部屋で就寝すると
疲れが早く取れるといわれています。日本人にとって癒しの空間であるお風呂。
昔から ひのき風呂は、
高級 上質 贅沢
の代名詞とされ、ある種 憧れ の存在となっていますが、
ひのきの芳香には、
リラックスするときに脳内に発せられるアルファー波の量を増やすことがわかっています。
入浴で身体を暖めることによる癒しに、
ひのきの芳香によるリラックス効果がプラスされるから
憧れの存在となっているのかもしれませんね。木材には、フィトンチッドという
リラックス効果をもたらす成分が含まれています。
フィトンチッドとは、絶えず混入してくる虫や細菌から身を守るために、
樹木が自ら作り出し発散している物質で、
木の香り、色などのもとになる成分であります。
1930年頃、ロシアのボリス・キートン博士が、植物を傷つけると、
その周囲にいる細菌などが死ぬという不思議な現象を発見し
植物 を意味する フィットン(phyton) と
殺す を意味する チッド(cide) を
組み合わせてなずけられた造語だそうです。
他の植物や細菌などに撃退する働きをもつフィトンチッドですが、
森林浴に代表されるように、
人間にとっては癒しをもたらす効果があります。
血圧を下げたり、動脈の乱れを少なくするなどの
自律神経を安定させる効果が実験で確認されています。
特に マツ や ヒノキ といった針葉樹はフィットンチッドの発散量が多く
免疫力向上に寄与との論文も発表されているようです。 - べんがら
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飛鳥時代の昔から、私たち日本人に愛されてきた べんがら
その艶やかで美しい赤色に加えて、天然の防腐・棒錆効果が得られることから
床 や 造作、カウンター といった内装の仕上げだけでなく
構造材に使用すれば耐久性を高めることができます。
日本の伝統である べんがら は伝統的な空間に使用すれば、
趣をさらに深められるのはもちろんですが、
それ以外の雰囲気を持つ空間の一部に使用し、
和の エッセンス を採り入れるなど、
隠し味 的な遣い方も一興といえます。
べんがら は 「弁柄」または「紅殻」とも表記されますが、
酸化第二鉄を主成分とした赤色顔料のことで、
その発祥はインドのベンガル地方といわれ、
それにちなんで べんがら と呼ばれるようになったと言われています。
国産のべんがらが広まるまでには主に中国から輸入され、
建築木材の塗料に使われていました。
飛鳥・白鳳時代の寺院や宮殿の柱に使用され、
奈良・薬師寺の西塔の円柱もべんがらで塗装されています。
その後、宝暦年間に、原料となるローハ(硫酸鉄)人工的に擬結できるようになり、
生産量が飛躍的に伸びると急速に普及。
陶磁器の模様書きや、輪島塗をはじめとした漆器の下塗り、
家具塗装、染料、船舶の錆止めなど、
幅広い用途に使われるようになりました。
特に、加賀の九谷焼や有田の伊万里焼の名工たちは競って使用し
赤絵 と呼ばれる新境地を開拓。
その独特の美しさは、江戸時代における唯一の交易国であった
オランダ人によってヨーロッパ各地に伝えられ、
多くの人々を魅了したといわれています。
現代では、ガラス、宝石の研磨剤、建築鉄骨や自動車の棒錆用塗料、
そして意外な所では磁器テープやフロッピーディスクにも使われています。
また、瓦の着色にも用いられ、山陽地方の赤瓦は魔除けの意味がこめられています。